聞き給え。この物語も数々の俺の凶器の一つなのだ。
俺は久しい以前から、世にありとある風景が己の掌中にあるのが自慢だった。
近代の詩や絵の大家らは、俺の眼には馬鹿馬鹿しかった。
-地獄の季節(錯乱Ⅱ・言葉の錬金術、冒頭より抜粋)-
Jean-Nicolas-Arthur-Rimbaud
小林秀雄 訳
堀口大学の訳も美しいのだけれど、以下の部分に至りLacoste版に拠る小林訳の方が心に響く。
また見つかった、
何が、永遠が、
海と溶け合う太陽が。
もうボロで赤茶けてしまったこの文庫本を『海と溶け合う太陽』が見たいが故、新しく買い換えてしまった。